あんず小噺(59)
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ヒミツ・不明/その他

『ごっこ遊びの孤独』

15/2/28 21:38
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この世の中は『ごっこ遊び』で溢れている。

『友達』『恋人』『夫婦』『家族』

挙げればキリがない。
このサイトもその一つ。匿名希望の男女が集い『ごっこ遊び』に興じる場所。
ネットの爆発的な普及で、何らかのSNSをしていない大人は皆無と言ってもいいだろう。
匿名のまま誰かと繋がり、リアルとは違う自分を演じ、リアルでは言えない事を吐き捨てる。リアルでは得られない同情や慰め、理解を求め続け、誰もが孤独になってゆく。
『ごっこ遊び』の行き着く先は、正体を無くした孤独な自分自身の姿だ。

人は多面性がある。
様々な顔を使い分けている。他人に好かれようと、受け入れて貰おうと、理解して貰おうと媚びるところから孤独は始まる。

それはリアルもネットも変わらない。

画面の向こうにいるのは、感情のある生きた人間だ。決して使い捨てにしていい『モノ』ではない。ハンネという『仮名』ではあるが、ちゃんと名前のある一人の人間だ。
私は『ごっこ』ではないという証明の為、語り合う日々を通して親しくなったら自ら素性を明かす。
相手には相手の都合もあるので、強制はしない。覚えてくれようが、くれまいが相手の自由。覚える価値があると相手が判断する時が来たら覚えてくれるし、自分の事も教えてくれる。

そこに至るまで時間は掛かる。
何よりも必要なのは『真剣さ』だ。
まずは自分が真剣に言葉を紡ぐ。
応える気がなければ何通送っても、真剣な言葉は返らない。
それだけの事だ。

ごっこでいいなら真剣さは必要ない。その場のノリと雰囲気で楽しむだけの会話に『考える』真剣さは邪魔なだけ。むしろウザイ。
軽い会話でたくさんの人と、楽しい一時を満喫しているハズなのに『淋しい人』が溢れているのは何故だろう(笑)

私もたまにはバカな話をする。
だけど『それしかない』人『それしか必要ない』人はいくらでもいる。
相手を見極め、選ぶ事は言うまでもない。

間柄の名称は関係なく、人と真剣に繋がる事は大変な労力だ。
おのずと人数も限られてくる。
ネットだろうがリアルだろうが、家族だろうが友達だろうが恋人だろうが関係ない。

如何に真剣に向き合うか?

『ごっこ遊び』で人生を無駄にして、孤独になる否かは自身の姿勢ひとつだ。
(c)gran-tv.jp