あんず小噺(59)
☆☆あんず☆☆☆☆☆(50)
ヒミツ・不明/その他

『わたしも… 好き』

15/2/4 12:13
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吐息でくすぐりあって じゃれるのも

視線が交わるたびにキスするのも

激しく 熱く 抱かれるのも



最後はいつだったかなぁ…? 
本当に覚えていない。

『おまえ そのまま枯れて終わるぞ』

たまにバカにされちゃう事もあるけど 
それならそれで いいんだ。


『誰でもいい』 

いいえ。それはもう過去の話。
私の『カラダ』が好きな人は何人もいたけど 私を好きな人はいなかった。

私の『カラダ』を欲しがり見つめた人は何人もいたけど 
私の心を見つめてくれた人はいなかった。


今度こそは… この人こそは…

相手に期待だけして 簡単に許していた。

嫌われたくなくて 痛くてもガマンして 
感じてるフリばかりしていた。

そんな事を繰り返し 心と身体を穢して 
独りぼっちになって 初めて気がついた。


『想い』がないと何も感じない。

相手に触れる喜び 
肌を通して伝わる心のぬくもり
呼吸と鼓動をあわせる高ぶり

六感の総てを震わせる感覚は 
二人の『想い』が混ざり合った証

それを感じたい。
たとえ一度きりでも構わない。


だから『誰とでも』しない。

もう二度と。










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