『いい加減にしろ!お前はいつまで俺を疑うんだ!?借金なんかしていない!』
疑う私にブチ切れたものの、フタを開ければ借金していた元ダンナ。
一度されたら、到底信用など出来ない。不思議と腹は立たない。また尻拭いか・・と溜め息しか出なかった。
人を裏切る人間はある共通項がある。それは何かは言えないが、裏切る人間ほど簡単に許してもらえるとタカを括っている。
人は誰でも間違いや過ちを犯す。時には他人を巻き込んでしまう事もあるだろう。自分は裏切ったつもりはなくても、相手が裏切りだと感じたら裏切りになるのだ。浮気が最たる例だろう。
『たった一度くらい、いいだろ?』
いいえ。裏切られた方は苦しく辛いのです。疑う自分と信じたい自分と葛藤し、でも葛藤を相手に覚られてはいけない。許した手前、疑う事も出来ず、問いただす事も出来ない。我欲に流され、裏切る方がどれだけ楽か知れない。それを疑われたからと怒るのはどうかしている。
それは『裏切った罰』
たった一度でも、失った信用は還らない。その現実を忘れてはならない。罰を背負い、何度責められても、疑われても、相手と真摯に向かい合い続けて行くしかないのだ。許しを乞うのはいい。だけど、相手に『もういいだろう?』と、勝手に期限を切り、許しを求めるのは間違っている。それは自分が楽になりたいだけだ。決めるのは相手であり、裏切った当人じゃない。
『たった一度・されど一度』
築くのは大変な時間と労力と真心がいる。
壊れるのは、呆気ないほどに一瞬だ。
目に見えない、儚いものなのだ。