あんず小噺(59)
☆☆あんず☆☆☆☆☆(50)
ヒミツ・不明/その他

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14/6/12 14:48
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というドラマをずっと観ていた。ご覧になっていた人は分かると思うが、
『えぇ~!?これで終わり?どないやねん!?』
と思うような最後だった。続編に期待したい。
これから書く内容は『人は本当は善人ばかり』『人を恨んで生きるなんて・・・』とキレイな心を持っている人、人の闇を見ようともせず、前向きバンザイ!!の人は読まないで欲しい。気分を害するだけなので。


犯人のセリフでとても印象に残っている言葉がある。
『俺は絶対的な悪の為に人の命を奪える。お前は絶対的な正義の為に人の命を奪えない。俺とお前の境界線はそこだ』
まぁ穏やかな話ではないが、罪に問われないのであれば、沈めてやりたい人間がいるか?と問われたら『いる』と私は答える。
それが何を意味し、自分の中に何が巣喰っているのかは分かっている。そんな事を考えたらダメ!許してこそ大きくなれる。心をくすませ、歪ませるだけのつまらない感情に捕らわれていてはいけない、恨みを晴らしたとしても何も生まれない、とずっと言い聞かせて蓋をしてきた。事実、相手が亡くなっても悼む気持ちは微塵もないから、葬式には行かないだろうし、立場上行ったとしても遺影を睨みつけ、焼香の灰をブチ撒いて大暴れするかも知れない。
そして一人でいる。こんな感情を持ったままで人を心の底から愛せるような気がしない。もしかしたら、愛を知る事で昇華されるという奇跡があるのかも知れないが、それは所詮、他力本願の戯言。自分の心と向き合って答えを出さなければいけない。衝動や感情と共存しながら。教科書や説法に書いてあるようなキレイ事を吐き、いい人ぶって、境界線を誤魔化す事に意味はない。
他人への恨みは本当に呆気なく生まれる。何気なく言った言葉、行動、自分の意図を離れた所で静かにトリガーは引かれている。
それが『欲』を持ち、平気で他人をアテにし、縋りつく人間故の怖さだ。

愛と憎、善と悪、幸と不幸、男と女、生と死、人の心は表裏一体、人の世も然りで、同じコインの表裏を行ったり来たりしながら生きているのかも知れない。

私も そして、あなたも。



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